OUR TEAM
誰が、どのくらいの頻度で来てくれるのか。訪問歯科を選ぶときに意外と見えにくい「体制」について、当院の実際をお伝えします。
SUMMARY
この記事の要点
見えにくい「体制」の話
訪問歯科をお探しのご家族やケアマネジャーの方から、「治療の内容はホームページを見ればわかるけれど、どんな体制で来てもらえるのかが分からない」というお声をいただくことがあります。訪問歯科は、診療室に来ていただく外来と違い、医院側の体制がそのままご利用のしやすさに直結する診療です。
このコラムでは、当院がどのような考えで訪問診療の専属チームをつくり、日々どのように動いているのかを、体制・対応の速さ・初回の進め方・診療の中身・地域との連携という5つの角度からご紹介します。訪問歯科を比較検討されている方の判断材料になれば幸いです。
01 — DEDICATED TEAM
訪問歯科の体制は、医院によってさまざまです。外来診療の合間や昼休みの時間を使って伺う形をとる医院もあれば、訪問診療を担当する専属のチームを置く医院もあります。どちらが正しいというものではありませんが、体制の違いは、訪問できる時間帯・頻度・急な相談への動きやすさに影響します。
当院は、訪問診療を担当する専属チームを編成し、診療日は毎日訪問診療を行う体制をとっています。外来の予約状況に左右されず訪問の予定を組めるため、午前・午後を通してご都合に合わせた時間帯をご提案しやすくなります。施設への定期訪問と、ご自宅への訪問を同じ日に組み合わせて回ることもできます。
チームは歯科医師と歯科衛生士がペアで動くことを基本とし、必要に応じて管理栄養士や歯科技工士とも連携します。歯科医師が診断と治療を担い、歯科衛生士が専門的な口腔清掃と日々のケアの助言を担当する——この役割分担があることで、限られた訪問時間の中でも治療とケアの両方に手が届きます。役割の違いについては歯科医師と歯科衛生士、どちらが来るの?で詳しく解説しています。
また、専属チームであることは「経験が積み重なる」という意味も持ちます。寝たきりの方の体位の取り方、認知症のある方への声のかけ方、施設ごとの動線や申し送りの作法といった、訪問の現場でしか身につかないことがあります。同じメンバーが繰り返し現場に入ることで、こうした知見をチーム内で共有できます。
BY THE NUMBERS
ANNUAL VISITS — 2025
13,777件
年間訪問診療件数
(2025年1〜12月の実績)
DENTISTS
19名
在籍歯科医師数
(在籍数は2026年7月時点)
DENTAL HYGIENISTS
20名
在籍歯科衛生士数
(在籍数は2026年7月時点)
※訪問診療件数は2025年1〜12月の実績、在籍数は2026年7月時点のものです。外来診療を担当するスタッフを含みます。
02 — RESPONSE
訪問歯科のご相談で切実なのが、「今日、痛がっている」「入れ歯が割れて食事ができない」という急なご連絡です。ご本人は歯科医院まで移動できず、ご家族も仕事を休んで付き添うことが難しい。こうした場面では、待つ時間そのものが負担になります。
当院では、お電話の内容を伺い、緊急性が高いと判断した場合には、原則として即日で対応しています。痛みや腫れ、義歯の破損・脱落、出血といったご相談がこれにあたります。専属チームが毎日動いているため、その日の訪問ルートに組み込む形で伺うことができます。
ただし、当日の訪問件数や訪問先の地域、ご本人の状態によっては、翌診療日以降のご案内となる場合もあります。お電話の際に、いつ・どのような症状が出ているかをお聞かせいただけると、優先度の判断がしやすくなります。ご本人からでなくても構いません。ご家族、施設の職員、ケアマネジャー、訪問看護師の方からのご連絡でも同じように対応します。
なお、応急的な処置で痛みを抑えたうえで、根本的な治療は後日あらためて計画を立てて進めることもあります。その場で全てを終えるのではなく、ご本人の体力や生活のリズムに合わせて回数を分けるという判断も、訪問診療では大切にしています。
03 — FIRST CONSULTATION
初めて伺う日に、いきなり治療を始めることはしていません。初回は「治療相談」の時間と考えています。お口の中を拝見し、ご本人・ご家族のお困りごとを伺ったうえで、今のお口の状態、できること、必要になりそうな費用、次回までにご準備いただくものをご説明します。そのうえで、進めるかどうかを決めていただきます。
ご高齢の方の訪問歯科では、「治療を受けられる体力があるか」「どこまで治すことがご本人の生活にとって良いのか」という判断が伴います。全部を治すことが最善とは限らず、まずは痛みを取ることを優先する、食べられる状態を保つことを目標にする、という選択もあります。この見立てをご家族と共有せずに処置を進めてしまうと、後から認識のずれが生まれます。だからこそ、最初にお話しする時間を取っています。
手続きの面でも、身構えていただく必要はありません。訪問歯科の開始にあたって契約書を交わすことはありません。ご記入・ご同意いただくのは、問診票と、介護保険の重要事項説明書の2つのみです。ご本人がご記入できない場合は、ご家族や施設の職員の方に代わってご対応いただけます。
FIRST VISIT — 3 STEPS
お口を拝見し、お困りごとを伺う
歯・義歯・歯ぐき・粘膜の状態と、噛む力・飲み込みの様子を確認します。
できること・費用・準備物をご説明
治療の選択肢と見通し、自己負担の目安、次回までのご準備をお伝えします。
ご納得のうえで診療を開始
ご記入いただくのは問診票と介護保険の重要事項説明書のみ。契約書は不要です。
01 — ORAL CARE
歯科衛生士が専用の器具で、歯と歯ぐき、義歯、舌や粘膜まで清掃します。ご自宅・施設での毎日のケアがしやすくなるよう、道具の選び方や介助の仕方もあわせてお伝えします。誤嚥性肺炎の予防という観点からも重要な処置です。
02 — TREATMENT
むし歯や歯周病の治療、抜歯、義歯の修理・調整・新製まで、持ち込んだ機材でベッドサイドや居室で行います。「合わない入れ歯を使い続けている」という状態は、食事量にも会話にも影響します。
03 — CHEWING
歯が残っていても、噛む力や舌の動きが落ちていれば食事は進みません。お口の機能を確認したうえで、続けやすい体操や、今の状態に合った食事の形態について管理栄養士とも連携しながらご提案します。
04 — SWALLOWING
食事中にむせる、飲み込みに時間がかかるといったご様子があれば、嚥下の状態を評価し、姿勢の調整や訓練をご案内します。必要に応じて主治医や訪問看護師と情報を共有しながら進めます。口腔機能低下外来の考え方をご自宅・施設でも活かしています。
05 — NETWORK
在宅や施設での療養は、歯科だけで完結するものではありません。主治医、訪問看護師、ケアマネジャー、介護職、リハビリ職、管理栄養士——多くの職種がそれぞれの立場から関わっています。お口の状態は、食事の量、服薬、体重、肺炎のリスクといった他職種の関心事と直結するため、情報の行き来が欠かせません。
当院の専属チームは、ケアマネジャーや介護職の方々と日常的にやり取りをしています。訪問後の状態やお願いしたいケアの内容を書面でお渡しする、サービス担当者会議に参加する、次回訪問の日程を他サービスと調整する、といったことを日々の業務として行っています。ご家族が間に立って伝言する負担を減らすことにもつながります。
また、ご依頼をいただいた施設では、職員の方向けの口腔ケアセミナーを行っています。日々のケアを担うのは施設の職員の方々ですから、手技や道具の使い方、拒否のある方への関わり方を共有することが、結果としてご入居者のお口の状態を左右します。あわせて、入居者の方の口腔評価にも協力しています。
ケアマネジャー・施設ご担当者向けのご案内はケアマネジャーの方へにまとめています。当院の訪問歯科の全体像は訪問歯科診療のご案内をご覧ください。
SUPERVISOR
監修:歯科医師 桐生 賢太(きりう けんた)
つむぎ歯科クリニック 院長/歯科医師
訪問歯科診療を専属の歯科医師・歯科衛生士チームとともに運営。地域のケアマネジャー・訪問看護師との連携実績多数。院長プロフィール →
最終更新日:2026年7月25日
NOTES
本コラムに記載した訪問診療件数は2025年1〜12月の当院実績、歯科医師・歯科衛生士の在籍数は2026年7月時点の数値です。体制・スタッフ数は変動する場合があります。
即日での対応は、緊急性が高いと歯科医師が判断した場合の対応方針であり、すべてのご相談について当日の訪問をお約束するものではありません。当日の訪問件数、訪問先の地域、ご本人の状態により、翌診療日以降のご案内となる場合があります。治療の内容・経過には個人差があります。
CONTACT
お口の状態を拝見し、できること・費用・ご準備をご説明します。ご家族・ケアマネジャー・施設ご担当者の方からのお電話も歓迎です。