つむぎ歯科クリニックTSUMUGI DENTAL CLINIC
訪問歯科の対象になる「通院困難」の基準

ELIGIBILITY

「通院困難」は
どう判断される?

訪問歯科の対象になるのはどんな方か。保険診療で定められた「通院が困難な方」の考え方と具体例、迷ったときの相談先をわかりやすくお伝えします。

SUMMARY

この記事の要点

  • 訪問歯科は「通院が困難な方」のための保険診療。年齢や要介護度だけで決まるものではありません。
  • 寝たきり・歩行困難・認知症・在宅酸素・入院中などが典型例。「通院が面倒」だけでは対象外となる場合があります。
  • 最終的な判断は歯科医師による個別判断。迷ったらご家族・ケアマネジャーからのお電話でご相談いただけます。

よくあるご質問から

「うちは対象になりますか?」
——最も多いご質問です。

訪問歯科のお問い合わせで最も多いのが、「母は対象になるでしょうか」「要介護認定を受けていないのですが」というご質問です。訪問歯科は保険診療である以上、対象となる方の考え方が制度上定められていますが、その表現は「通院が困難な方」という言葉が中心で、一律の線引きがあるわけではありません。

このコラムでは、「通院困難」がどのような視点で考えられているのか、対象になりやすい具体例、そして迷ったときにどこへ相談すればよいのかを整理してお伝えします。

01 — INSURANCE

訪問歯科は「通院が困難な方」のための保険診療

訪問歯科(歯科訪問診療)は、歯科医師や歯科衛生士がご自宅・施設・病院へ伺い、外来の診療室と同じように治療や口腔ケアを行う仕組みです。健康保険や後期高齢者医療制度、介護保険といった公的保険が適用される保険診療であり、自由診療ではありません。年齢や所得に応じた通常の自己負担割合(1〜3割)でご利用いただけます。

ただし、保険で訪問歯科を利用できるのは「通院が困難な方」に限られます。これは、歯科訪問診療の保険上の枠組みが、在宅などで療養しており、疾病や傷病のために通院による歯科診療が難しい方を対象として設計されているためです。逆にいえば、この条件にあてはまる方であれば、要介護認定の有無にかかわらず訪問歯科を利用できる可能性があります。

費用の面では、訪問ごとの基本料にあたる歯科訪問診療料は1割負担で1回あたり約1,000円前後が目安です(訪問先や同一建物内の診療人数などの区分により変動します)。これに処置の内容に応じた治療費が加わります。費用の全体像は訪問歯科の費用のご案内で詳しく解説しています。

02 — CRITERIA

「通院困難」はどのような視点で考えられるか

「通院困難」という言葉に、明確な数値基準や一覧表があるわけではありません。実際には、心身の状態から見て、歯科医院へ通うこと自体が難しいかどうかという視点で、次のような要素を総合的に考えます。

  • 身体の状況 — 寝たきり、歩行が困難、長時間の座位が保てない、外出に介助が必要 など
  • 認知症 — お一人での外出・通院が難しい、慣れない環境での診療が負担になる など
  • 障がい — 身体障がい・重症心身障がいなどにより移動や通院が難しい場合
  • 疾患・医療的ケア — 在宅酸素療法中、難病、重い心疾患・呼吸器疾患など外出が制限される状態
  • 療養場所 — 入院中、介護施設・グループホームなどに入所中で外出が難しい場合

一方で、注意していただきたいのは、「通院が面倒」「忙しくて時間が取れない」といった理由だけでは、保険での訪問歯科の対象外となる場合があるという点です。あくまで疾病・傷病や心身の状態によって通院が難しいことが前提となります。ご自身で問題なく通院できる方には、外来での診療をご案内しています。

  1. 01 — BEDRIDDEN

    寝たきり・ベッド上で過ごす時間が長い方

    ご自宅や施設のベッドサイドで、義歯の調整・むし歯治療・口腔ケアまで対応できます。体位の保持が難しい方にも、無理のない姿勢で診療を行います。

  2. 02 — MOBILITY

    車椅子を利用されている方・歩行が困難な方

    車椅子での移動や介助なしでの外出が難しい方は、対象となることが多い典型例です。骨折後や術後で一時的に歩行が難しい期間のご利用もご相談いただけます。

  3. 03 — DEMENTIA

    認知症によりお一人での通院が難しい方

    身体は動かせても、認知症のためにお一人での外出・通院が難しい方も対象となり得ます。慣れたご自宅や施設で診療することで、落ち着いて治療を受けやすくなる面もあります。

  4. 04 — MEDICAL CONDITION

    在宅酸素・難病などで外出が制限される方

    在宅酸素療法中の方、パーキンソン病などの神経難病の方、重い心疾患・呼吸器疾患で外出にリスクを伴う方など、疾患の面から通院が難しいケースです。主治医と連携しながら診療します。

  5. 05 — FACILITY / HOSPITAL

    入院中・施設に入所中の方

    病院に入院中の方や、特別養護老人ホーム・グループホームなどに入所中で外出が難しい方も対象となり得ます。施設・病院側との調整も含めてご相談いただけます。

04 — CONSULTATION

迷ったときの判断は歯科医師にお任せください

ここまで典型例をご紹介しましたが、実際のご相談では「歩けるけれど長くは座っていられない」「日によって体調の波が大きい」など、判断に迷うケースが少なくありません。訪問歯科の対象になるかどうかの最終的な判断は、お一人おひとりの状態をふまえた歯科医師の個別判断です。ご自身やご家族だけで「対象外だろう」と決めてしまう必要はありません。

当院では、お電話でお身体の状態や生活のご様子を伺ったうえで、訪問での対応が可能か、外来のほうが適しているかをご案内しています。「対象になるか分からない」という段階でのお電話で構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。対象となる方の詳しい解説は訪問歯科の対象となる方のご案内もご覧ください。

05 — FAMILY / CARE MANAGER

ご家族・ケアマネジャーからのご相談で構いません

訪問歯科のご相談は、ご本人からでなくても構いません。実際には、ご家族、担当のケアマネジャー、訪問看護師、施設の職員の方からのお問い合わせが大半です。「本人は歯のことを言い出さないが、食事中にむせるようになった」「義歯が合っていないようだ」といったご家族の気づきが、受診のきっかけになることも多くあります。

ケアマネジャーの方からは、ご利用者様の状態の共有や、他のサービスとの日程調整も含めてご相談いただけます。当院の訪問歯科の体制やエリアは訪問歯科診療のご案内を、坂戸市内での訪問については坂戸市の訪問歯科のご案内をご覧ください。

SUPERVISOR

つむぎ歯科クリニック 院長 桐生賢太

監修:桐生 賢太(きりう けんた)

つむぎ歯科クリニック 院長/歯科医師

訪問歯科診療を専従の歯科衛生士チームとともに運営。地域のケアマネジャー・訪問看護師との連携実績多数。院長プロフィール →

最終更新日:2026年7月24日

REFERENCES

参考資料・免責事項

本コラムは、厚生労働省「歯科訪問診療の診療報酬上の取扱い」をはじめとする厚生労働省の公表資料、日本歯科医師会の公表資料を参考に作成しています。

記載内容は2026年7月時点の制度に基づく一般的な情報提供を目的としたものです。訪問歯科の対象となるかどうかは、患者様お一人おひとりの状態をふまえた個別の判断となります。制度改定が行われた場合は、改定後の取り扱いが優先されます。詳細は当院にお問い合わせください。

CONTACT

「対象になるか分からない」
その段階でご相談ください

お身体の状態や生活のご様子を伺い、訪問での対応が可能かをご案内します。ご家族・ケアマネジャーの方からのお電話も歓迎です。

訪問ダイヤル

049-298-3203

平日・土日 10:00–18:00 / 祝日休診

電話で相談 ケアマネ・施設の方