SLOW EATING
「以前より食事に時間がかかる」「途中で疲れて止まってしまう」——食事時間の延長は、咀嚼や嚥下の効率が落ちはじめているサインかもしれません。早い段階で原因を見極めることが大切です。
放置のリスク
食事時間が延びる背景には、咀嚼回数を増やさないと飲み込めない・義歯が合わず噛みづらい・噛む力そのものが落ちている・嚥下のタイミングが遅れている・食形態が状態に合っていないなど、口腔と嚥下の複数要因が重なっているケースが少なくありません。
食事時間が延びると疲労感が増し、結果として食べる量が減り、低栄養や体重減少につながることがあります。「食事に30分以上かかる」「途中で疲れる」が日常化している場合は、口腔機能・嚥下機能の評価をおすすめします。
01 — CHEWING COUNT
食塊(飲み込めるかたまり)にするまでに、以前より多くの咀嚼回数が必要になっている可能性があります。歯の喪失・舌の動きの低下・唾液量の減少が背景にあり、食事1回あたりの時間が伸びる主因のひとつです。
02 — DENTURE
入れ歯が合わないと、痛みを避けてゆっくり・少ない力で噛むしかなく、結果として食事時間が延びます。義歯の調整・リライン・作り直しで噛める範囲が広がり、食事効率が回復することが期待できます。
03 — BITE FORCE
噛む力そのものが落ちると、同じ食材でも咀嚼に時間がかかります。舌で食塊を奥に送る「舌圧」も低下している場合、口の中で食べ物が長く滞留し、嚥下開始までの時間も延びます。口腔機能低下症の検査で客観評価が可能です。
04 — SWALLOWING DELAY
食塊がのどに送られても、嚥下反射が起こるまでに時間がかかる状態です。本人としては「うまく飲み込めない・なかなか飲み込めない」と感じます。早期評価により、姿勢・食形態・訓練で改善の余地があるとされています。
05 — FOOD TEXTURE
硬すぎる・パサつく・まとまりにくい食事は、咀嚼・嚥下の負担を高め、食事時間を延ばします。逆に「噛まなくていいから楽」と思っていた粥や刻み食が、まとまりにくくむせやすい場合もあります。状態に合った食形態の選択が重要です。
WHEN TO SEE A DENTIST
1回の食事に 30分以上 かかることが増えた
食事の途中で 疲れて止まる・残してしまう
同じ一口を長く噛んでいる・なかなか飲み込まない
硬いものを避ける、柔らかいものばかり選ぶようになった
入れ歯の不具合がある・噛むと痛い・外れる
食事中・食後にむせる、飲み込みづらい場面がある
体重が半年で2〜3kg以上減った
家族と食事のペースが大きく違うと感じる
「30分以上かかる」「途中で疲れる」は、口腔機能・嚥下機能評価のひとつの目安です。早期介入ほど、食事の質と時間の両面で改善の余地が大きいとされています。
FAQ
一般的に1食20〜30分前後が目安とされ、30分以上が常態化している場合は、口腔機能・嚥下機能評価をおすすめします。特に「途中で疲れる」「食事量が減った」を伴う場合は早めのご相談が望ましいとされています。
義歯の適合改善で噛める範囲が広がり、食事効率が回復するケースは多くあります。一方で、咬合力・舌圧・嚥下のタイミングなど複数の要因が絡む場合は、リハビリ・栄養指導を組み合わせて改善を図ります。
ゆっくり噛んで食べることは健康に良いとされますが、「30分以上かかる」「途中で疲れて残す」は機能低下のサインの可能性があります。早期に評価しておくことで、本人の負担を減らせる可能性があるとされています。
咀嚼・嚥下の評価結果に応じた食形態の選択が重要です。「軟らかくすればよい」とは限らず、まとまりやすさ・付着性など複数の要素を考慮します。当院では管理栄養士が食形態の調整までご案内します。
訪問歯科で口腔機能・嚥下機能評価、義歯調整、口腔ケア、嚥下リハビリまで対応可能です。訪問専用ダイヤル(049-298-3203)またはケアマネ経由でご相談ください。
EVIDENCE
咀嚼効率・嚥下機能の低下は、栄養状態・全身機能と関連すると報告されています。以下は学会・論文で公表されているデータの一例です。
2.4倍
口腔機能低下症とサルコペニアの関連
口腔機能低下症に該当する高齢者では、そうでない群と比較して、サルコペニアのリスクが約2倍以上に上がると報告されています。
出典: 日本老年歯科医学会 報告
40%
口腔ケアでの誤嚥性肺炎発症率低下
介護施設での口腔ケア介入により、誤嚥性肺炎の発症率がおよそ4割低下したと報告されています。咀嚼・嚥下機能維持と肺炎予防の両面で口腔ケアの意義が示されているとされています。
出典: Yoneyama T et al., Lancet 1999
70%
嚥下リハ実施群の経口摂取維持
嚥下リハビリを継続的に実施した群では、約7割で経口摂取が維持されたと報告されています。多職種連携の重要性が指摘されているとされています。
出典: 日本嚥下医学会 報告
約10%
65歳以上の嚥下障害該当率
65歳以上ではおよそ1割に何らかの嚥下障害が認められると報告されています。食事時間延長を「気になるサイン」として捉える意義があるとされています。
出典: 日本嚥下医学会 報告
※ 一般的な研究データであり、個別の効果や成功を保証するものではありません。実際の経過は症例ごとに異なります。
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