DRY MOUTH
「口の中が乾く」「夜中に渇いて目が覚める」——加齢だけが原因ではありません。服薬・全身疾患・生活習慣まで、ドライマウスは全身の状態を映し出します。
国内 800 万人以上
唾液は、1日に1〜1.5L 分泌される「お口の防御液」です。抗菌・消化補助・粘膜保護・嚥下補助・むし歯予防——これらすべてを担う存在で、唾液が減ると、口の中だけでなく全身の健康に影響が及びます。
国内のドライマウス推定患者数は 800 万人以上とも言われ、特に高齢者・更年期以降の女性・多剤服用中の方に多く見られます。「歳のせい」と片付けず、原因を探ることで改善できる症状です。このコラムでは、原因・全身との関係・当院でのケアをご案内します。
COLUMN INDEX
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SUPERVISOR
監修:桐生 賢太(きりう けんた)
つむぎ歯科クリニック 院長/歯科医師
外来診療と並行して訪問歯科診療に従事し、高齢者の口腔機能管理・周術期口腔ケアに取り組む。日本老年歯科医学会員。院長プロフィール →
01 — MEDICATION
高血圧薬・抗うつ薬・抗ヒスタミン薬・利尿薬・抗パーキンソン病薬など、口渇の副作用がある薬は700種類以上と報告されています。多剤併用(ポリファーマシー)の高齢者で特に多く見られます。
02 — AGING
加齢に伴い唾液腺の腺房細胞が萎縮し、特に安静時唾液(じっとしているときに出る唾液)が減少します。咀嚼力の低下による唾液分泌刺激の減弱も関連します。
03 — SYSTEMIC
自己免疫疾患であるシェーグレン症候群は唾液腺自体を傷害します。糖尿病、腎疾患、甲状腺機能異常などでも唾液分泌が低下することがあります。気になる症状があれば医科への紹介もご案内します。
04 — MOUTH BREATHING
睡眠時の口呼吸・いびきにより、口の中の水分が蒸発し、起床時の強い乾燥につながります。睡眠時無呼吸症候群(SAS)が背景にあるケースもあり、必要に応じて医科との連携を検討します。
05 — RADIATION
頭頸部がんの放射線治療後は、唾液腺が照射範囲に含まれることで唾液分泌が著しく低下します。治療前後の周術期口腔ケアと、医科主治医との連携が重要となります。
SYSTEMIC IMPACT
唾液の減少は、お口だけでなく、栄養・睡眠・呼吸器疾患のリスクにまで連鎖します。
唾液による自浄作用・再石灰化が低下し、短期間で多数のむし歯が発生する「根面う蝕」が特に高齢者で問題となります。
唾液の抗菌作用低下により、口腔内常在菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖。義歯使用者・低栄養の方で発症しやすいと報告されています。
嚥下時の食塊形成・潤滑作用が低下し、誤嚥のリスクが高まる可能性が指摘されています。口腔ケアによる細菌量の管理が予防上重要とされます。
乾いた口では食事が飲み込みにくく、味覚も鈍くなりがちです。食事量の減少から低栄養・サルコペニアにつながるケースが報告されています。
STEP 01
服薬状況、全身疾患、生活習慣を丁寧にお伺いし、必要に応じて唾液量検査(サクソンテストなど)で客観的に評価します。
STEP 02
水分補給・室内湿度・口呼吸対策とあわせて、唾液腺マッサージ・口腔体操(あいうべ体操など)をご案内します。日々の習慣で唾液分泌をサポートします。
STEP 03
市販品から処方薬まで、状態に合わせた口腔保湿ジェル・スプレー・含嗽剤をご提案します。睡眠時の使用法、義歯への応用もご説明します。
STEP 04
原因疾患が疑われる場合は医科への情報提供、服薬整理が必要な場合は内科主治医と連携。当院常駐の管理栄養士による栄養相談、訪問歯科チームによる在宅ケアも組み合わせて、包括的にサポートします。
DISCLAIMER
本コラムは一般的な歯科医療情報の提供を目的としており、特定の効果を保証するものではありません。記載内容は日本口腔乾燥症学会・日本老年歯科医学会の知見、ならびに国内外の歯科専門誌で報告された研究データを参考にしています。
研究データは集団における傾向を示すものであり、個人の症状や効果には差があります。服薬の調整は必ず医科主治医にご相談ください。歯科だけでの判断・自己中断はおすすめできません。
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通院が難しい方には、訪問歯科診療でのドライマウスケアも可能です。お電話の窓口をお選びください。
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